近年、YouTubeをはじめとする動画サービスが広く利用されるようになり、映像・動画クリエイターの需要が高まっている状況です。そのため、映像・動画クリエイターを目指す人も増えています。
しかし、映像・動画クリエイターが具体的にどのような仕事をしており、どのようなスキルが求められるのか、またどのような方法でなるのかを知らない人も多いでしょう。ここでは、映像・動画クリエイターになる方法や仕事内容、求められるスキル、将来性などをご紹介します。
映像・動画クリエイターとは
そもそも映像・動画クリエイターとは、どのような仕事なのでしょうか。ここでは、映像・動画クリエイターのおもな仕事内容とやりがいをご紹介します。
映像・動画クリエイターの仕事内容
映像・動画クリエイターは、映像制作のスペシャリストであり、テレビのコマーシャル、映画、YouTube動画、CG技術を駆使したゲームやアニメ、アーティストのミュージックビデオなど、さまざまな映像作品を制作する仕事です。近年は、YouTuberになり自ら演者と映像・動画クリエイターを担う映像・動画クリエイターも増えています。
具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
・企画立案：ターゲットとなる視聴者層や伝えたいメッセージ、予算を考慮して、映像作品の具体的な企画を立てる
・シナリオや絵コンテの作成：映像制作の方針を決定し、シナリオや絵コンテを作成する
・映像のデザインと制作：映像をデザインし、撮影や編集、CG制作などを行う
・提案と調整：クライアントやプロデューサーと連携し、提案や修正を行いながら映像作品を完成させる
なお、一口に映像・動画ディレクターと言っても、ディレクターや映像の編集者、カメラマンやライトマン（照明技師）など、その種類は多様です。おもに、制作系の仕事と技術系の仕事の2つに分けられます。
制作系の仕事
映像・動画クリエイターのおもな制作系の仕事は、以下のとおりです。
・監督：映像制作において、最終的な決定権を持つ役割
映画やアニメなどには、映画監督が存在する
・プロデューサー：プロジェクト全体をマネジメントする役割で、打ち合わせ、企画立案、出演交渉、スケジュール組み立て、ロケハンなどを行う
・ディレクター：現場の指揮を取り、演出を指導したり、撮影に指示を出したりする役割映像ディレクターは中心的な役割を担う
・AD（アシスタントディレクター）：ディレクターをサポートする役割で、プロジェクトを円滑に進める
・脚本家・シナリオライター：物語の構成を決める重要な役割で、監督やディレクターが指示を受けて撮影や編集を行う
技術系の仕事
映像・動画クリエイターが行うおもな技術系の仕事としては、以下のようなものが挙げられます。
・動画クリエイター：動画編集を行う人のことで、撮影された映像を加工してテロップや効果音を挿入したり、モーショングラフィックスで動きをつけたりする
・カメラマン：カメラで撮影を行う職種で、映像制作においては動画を撮影できる映像カメラマンが必要
・ライトマン（照明技師）：現場のライティングを行い、光の当て方や色彩を工夫して場の雰囲気を演出する
・美術：撮影で用いるセットや小道具を準備する役割で、デザインに関する知識とセンスが求められる
・音声・音響：効果的なBGMや効果音を挿入して映像を聴覚的に演出する
・ナレーター：映像に声を当てる役割で、文章を伝わりやすく読み上げる必要がある
・CGデザイナー：CGを用いた撮影でエフェクトを演出したり、架空のキャラクターを合成したりする
映像・動画クリエイターのやりがい
映像・動画クリエイターは非常にやりがいのある仕事です。ここでは、具体的にどのようなやりがいがあるのかを解説します。
自分の感性やセンスを活かせる
映像・動画クリエイターとして、自分の感性を最大限に活かせるのは大きなやりがいです。クライアントのイメージやメッセージを聞いて、独自のアイデアを考え、映像を制作します。ゼロから映像を作り上げるプロセスは、非常に刺激的かつ楽しい作業のため、多くの映像・動画クリエイターがこの仕事を続けているのでしょう。
映像を通してメッセージ伝えられる
映像・動画クリエイターは、自分の頭の中にあったイメージを映像として形にすることで、多くの人と思いを共有できる点が魅力です。美しい映像で感動を分かち合ったり、楽しい映像で笑いを共有したり、悲しい映像で涙を共有できます。また映像を介して、社会問題を広く伝えられることも、映像・動画クリエイターのやりがいの1つです。
視聴者からのダイレクトな反響が得られる
近年は、ブログやSNSを通じて視聴者の感想を知ることができます。視聴者からの声を直接聞けることも、映像・動画クリエイターとしての魅力の1つでしょう。広告やメディアで話題になった映像は、多くの人に見られることでやりがいを感じられます。
さまざまな働き方ができる
映像・動画クリエイターとして実績を積んだり、実力が認められたりすれば、自由な働き方がしやすくなります。フリーランスとして独立したり、自宅で仕事をしたりすることも可能です。自分の手掛けたい作品や理想の働き方に合わせて、さまざまな働き方ができるのは映像・動画クリエイターの魅力だといえます。
映像・動画クリエイターになるには
映像・動画クリエイターになるためには、いくつかの方法があります。ここでは、映像・動画クリエイターになるおもな方法を確認しておきましょう。
専門学校や大学へ通う
映像・動画クリエイターになるには、映像制作について学ぶために、専門学校や美術系の大学に通う方法があります。映像制作の知識や技術を身につけるためのカリキュラムが提供されています。芸術大学や美術大学の映像関連学科もありますが、入学試験は厳しいことが多いです。その分、高いレベルの授業や経歴面のメリットはあります。
一方、専門学校は大学に比べて入学しやすく、実践的なテクニックを学べる点がメリットです。また、学費も比較的抑えられます。
映像制作会社やTV局などへの就職
映像制作会社やテレビ局、広告代理店に入社することで、映像・動画クリエイターとしてのキャリアを築くことが可能です。企業によっては、学歴や資格よりも芸術的なセンスや編集のテクニックを重視している場合もあります。
独学
映像・動画クリエイターになるには、特定の資格は必要ありません。センスや感性、映像機器の知識などが重要です。他のクリエイターの作品を視聴し、自分で映像制作にチャレンジすることでスキルを磨けます。企業の採用試験では、制作した作品の提出を求められることが多いです。
映像・動画クリエイターに求められるスキル
映像・動画クリエイターになるには、必要なスキルがあります。以下で、どのようなスキルが必要なのかを確認しておきましょう。
編集スキル
編集スキルは映像・動画クリエイターに欠かせないスキルです。カメラで撮影した映像を編集する能力が求められます。また、編集ソフトの取り扱いや高度な編集スキルも重要です。
撮影スキル
映像・動画クリエイターには、映像をブレずに水平に撮影するスキルも必要です。初めはスマートフォンで練習し、基本を習得したら高度なスキルも身につけなくてはなりません。
企画・構成スキル
映像・動画クリエイターには、伝えたいメッセージをどのように映像として伝えるかを考える企画・構成スキルも欠かせません。同じ内容の映像でも見せ方が変化するだけで、メッセージの伝わり方が大きく変わるためです。特に、クライアントから依頼される映像には、企画・構成スキルが活かせます。
コミュニケーション能力
映像・動画クリエイターには、クライアントやチームと円滑にコミュニケーションできる能力も必要です。要望を理解し、具現化するスキルも求められます。
マネジメント能力
大規模なプロジェクトでは、スケジュール管理やリソースの配分が必要です。プロデューサーやディレクターとして活躍する場合、リーダーシップスキルも不可欠だといえます。
映像・動画クリエイターに向いている人の特徴
スキル以外にセンスも必要な映像・動画クリエイターには、どんな特徴を持つ人が多いのでしょう。ここでは、映像・動画クリエイターに向いている人の特徴をご紹介します。
映像やアートが好き
映像制作は、さまざまな映像作品やアートの事例を踏襲したり、モチーフを取り入れたりすることが多いです。そのため映像・動画クリエイターには、日々映像やアートに触れることが苦でない人が向いています。
人と触れ合うのが得意
映像・動画クリエイターは、ディレクターやプロデューサーと連携しながら仕事を進める場合もあります。したがって、高いコミュニケーション能力が求められるため、人との協力や意見交換が得意な方が適しているでしょう。
向上心がある
映像・動画クリエイターには、動画編集や制作に関わる専門知識が必要です。前述した独学や専門学校で学ぶといった法方で、技術的なスキルを高められます。
好奇心と創造力がある
映像・動画クリエイターには、視聴者を引き付けるアイデアやクリエイティブな演出を考えることも必要です。新しいアプローチやアイデアを生み出す好奇心と、創造力がある人が向いています。
映像・動画クリエイターの平均年収
映像・動画クリエイターの仕事は多岐にわたり、また企業の規模によっても年収は大きく異なるため、一概に示すのは困難です。映像・動画クリエイターの平均年収は、300万円〜400万円程度といわれています。大手企業の場合、年収は700万円〜1000万円にもなることもあるようです。また、YouTuberとして成功すれば、年収は数千万円から億円にもなる可能性があります。
映像・動画クリエイターの現状と需要、将来性
映像・動画クリエイターとして働く人は、業界の状況を把握しておかなくてはなりません。ここでは、映像・動画クリエイターの現状と需要、将来性を確認しておきましょう。
映像・動画クリエイターの現状
近年、映像・動画クリエイターは急速に需要が高まっている職業ではありますが、生計を立てていくうえでは厳しい一面もあります。市販されている家庭用のカメラやパソコンの性能が向上しており、一般人でも簡単に映像を制作できるようになったことが理由の1つです。
プロの映像・動画クリエイターとして成功するためには、ある程度の知識とテクニックが求められます。アマチュアが作るものとプロが作るものには歴然とした差があり、映像・動画クリエイターには、高いクオリティの映像を制作できる能力が不可欠です。
映像・動画クリエイターの需要
映像・動画クリエイターの需要は増加しており、テレビのデジタル化や3D映画の流行によって高品質な映像を制作できる人材が求められています。インターネットの動画サイトやスマートフォンでの映像視聴も増えており、映像・動画クリエイターはへの関心も高まっている状況です。映像制作や映像加工の技術を学ぶ学校も増えており、就職希望者も多いです。
映像・動画クリエイターの将来性
映像・動画クリエイターは仕事の幅が広く、テレビのコマーシャル、映画、動画サイト、ミュージックビデオ、スマートフォン用のゲームなど、さまざまな分野で活躍することが可能です。映像コンテンツは進化し続けており、エンターテインメントやプロモーションなど、日常のあらゆる場面で映像を見る機会が増えていくことが予想されます。
常に新しいことにチャレンジしたい人には適した仕事だといえるでしょう。将来的には、インターネットや屋外の大型スクリーン、アミューズメント施設のアトラクションなど、新たな媒体向けの映像コンテンツが求められることも考えらます。さまざまな業界からのオファーが増え、ニッチな内容を確実に映像化できる映像・動画クリエイターの需要も増えていくと予想されるでしょう。
まとめ
映像・動画クリエイターとは、映像制作のスペシャリストです。テレビのコマーシャルや映画、YouTube動画、CG技術を駆使したゲームやアニメ、アーティストのミュージックビデオなど、さまざまな映像作品を制作します。
映像・動画クリエイターになるには、専門学校や大学へ通うことや映像制作会社やTV局などへの就職、独学といった方法が一般的です。さまざまなスキルや知識、そしてセンスと経験も必要なため、映像・動画クリエイターを目指す人には、効率よく学べる環境が必要でしょう。
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