2015年4月25日11時56分。
ネパールの首都カトマンズ付近を震源とするM7.8の大地震が発生しました。
発生から約1ヶ月。この地震による死者は8000人を越え、ネパールに住む人たちは未だ続く余震や食料不足に困っている現実です。
ミュージシャン科1年生作曲・編曲コースの留学生、トウラダール・ラジくんから、募金活動がしたい、という相談を受けたのが、翌日4月26日。ラジくんもこの地震で祖国ネパールの大事な友人を失いました。
【Pray For Nepal】
募金活動だけでなく、SHOW!として出来ること、日本にいて、音楽の学校だからできること。
チャリティライヴを開催しようと決めたのが、ゴールデンウィークがあけた週。
全校生徒に、イベントの出演、そしてスタッフ募集の呼びかけをし、30人を超える学生がこのイベントに関わってくれることになりました。
また、当日は参加できないけど、と、ラジくんに直接募金を渡す学生の姿も。
入学したてで右も左もまだわからない1年生の音響・照明科のみんなが
この日をなんとか1年生でまわすため、先生に頼み授業の中で仕込みや準備を教わったり、出演者に音源と歌詞を事前にもらい、それを使って本番のシュミレーションをしたり。
授業で習ったIllustratorを使い、音楽・放送ビジネス科のみんなは、
この日のためにステッカーのデザインを考えてくれたり。
募金箱を作るみんなが
それぞれのデザインを試行錯誤し、ネパールの国旗の意味を調べたり、写真をさがしてくれたり。
そしてこの日のステージのために
毎日毎日お昼休みや放課後に練習を重ねてくれた出演者のみんな。
みんなの想いが集結し、
昨日、6月6日。本番を迎えました。
受付や会場内の装飾も、すべて学生が行ってくれました。
作った募金箱も設置していざ開場。
続々とお客様が入場されます。
また、柳都オレンジスタジアムで行われるライヴに、会場を間違えて来てしまったお客様も、ステッカーを買ってくださったり、募金をしていってくださいました。感激!
そしてはじまったライヴ。
1番手。舘稀成。
「がんばれ!ネパール」というかけ声を、会場一体となって叫びました。先日もご紹介しましたが、不器用なりに人一倍熱い想いをもつ彼。今回のイベントのトップバッターとして、見事会場を暖かくしてくれました。
2番手。アールグレイの3人。
ヴォーカル科1年生の滝口稜一朗くん、嶋穂波さん、齋藤健太くん。
今回がはじめてのライヴでした。ステージの立ち方、MC、マイクの持ち方や目線、すべてが手探りの中でしたが、1年生ながら堂々としたステージを見せてくれました。綺麗なハモりも聴かせてくれました。
3番手、Romanzの2人。
ヴォーカル科2年生中村一希くん、卒業生の吉田寛定くん。
中村くんはこの日のために、自身初のオリジナル曲を完成させて来てくれました。しっとりと綺麗な雰囲気に、会場中も静かに聞き入っていたステージでした。
そした4番手。先生たちによって結成されたバンド「ネパリホ楽団」
手作りTシャツつくりました。ちっさいラジくんのってます。
3曲目には、ネパールのバンドの曲を演奏し、会場全体「ネパリホー!!!」の大歓声。会場にはたくんのネパールの留学生もお越し頂いており、大盛り上がりのステージとなりました!
そして5番手、ラジくんの登場。
祖国ネパールの曲を2曲と、ラジくんの作曲した曲を披露してくれました。祈りの想いを込めて熱唱する姿にわたしもうるっときながら伴奏をさせていただきました。
今手元に写真がなくて載せられないのですが、ラジくんのステージでは、ヴォーカル科1年生の信田祐樹くんとミュージシャン科1年生の近藤広夢くん、フルートの江口先生が一緒に演奏をしてくれました。
控え室でド緊張していた信田くんと近藤くん。近藤くんは今回のステージが初ライヴだったそうです。
綺麗なフルートの音色も加わり、一層感動的なステージになったのではないでしょうか。
そして最後は、ネパリホ楽団の演奏で、ネパールの愛唱歌「Rato ra Chandra Surya」を、会場全体で大合唱しました!
会場が1つになった気がした瞬間。
そして怒濤のアンコール!もう一度「Rato ra Chandra Surya」を演奏し、さらにまだ盛り上がる会場に「ネパリホー!」の曲をもう1度演奏。
熱く盛り上がる会場の想いは、きっとネパールまで届いたと信じたいです。
ライヴ終了後、ラジくんからお越し頂いた皆様にメッセージ。
記念写真を撮影し、【Pray For Nepal】のライヴは終了致しました。
今回会場には約170名のお客様にご来場いただきました。そして、想像をはるかに超えるたくさんの募金をいただきました。
「楽しかった」という言葉が正しいのかわかりません。
けど、「楽しかった」
会場が一体になった気がした。
1人の留学生の、小さな呼びかけが、大きな形となって、実現しました。
そこには、たくさんのあたたかい気持ちがあって、見返りなどを必要としないたくさんの優しさがありました。
ラジくんのため、ネパールのために手をさしのべてくれた学生のみんな。
そして昨日会場に足を運んでくださった皆様。
先生方。
会場には来れなかったけど、イベントを知り、応援してくださった皆様。
みなさんに、ありがとうございましたを伝えるとともに、
ネパールの、少しでも早い復興と、ネパールの皆様の幸せを心から祈ります。
Pray For Nepal
佐藤 和音