コンポーザーという言葉は、一般の方にとっては聞き慣れない言葉かもしれません。
恐らく「音楽関連の言葉だろう」という認識の方が多いのではないでしょうか。
しかし、コンポーザーは私たちの生活には欠かせない音楽を生み出す職種のため、意外と身近な存在だといえます!
とはいえ
「コンポーザーって何?」
「どうやったらなれるの?」
という疑問も多いと思うので、今回はコンポーザーがどのような職業か解説しつつ、作曲家との違いや仕事内容、なり方などをサウンドクリエイター科担任の中野和音が紹介します。
コンポーザーとは?作曲家との違いは?
コンポーザー(Composer)とは「Compose(作曲)」の名詞形で、日本語では作曲家という意味です。
よって「コンポーザー=作曲家」という認識で問題ありません。
しかし、一口に作曲といっても、どのような仕事なのかイメージできない方も多いと思うので簡単に説明します。
どこまでが作曲?
作曲とは、文字通り楽曲を作ることを意味しますが、仕事の定義としてはやや曖昧な部分もあるのが現状です。
例えば、クラシックやDTM(Desktop Music:パソコンを活用した音楽制作の総称) などの場合は、楽曲の演奏情報を含め、詳細な箇所まで作り込む作業(譜面やデータ)が作曲と呼ばれています。
一方、バンド経験者の方などがギターやピアノなどで作ったコード進行やメロ譜なども作曲といわれており、こちらにはアレンジなどの編曲が含まれません。
したがって、どこまでが作曲かという部分については、業務内容やクライアント、音楽ジャンルによっても異なるため、適宜作業内容について確認しておく必要があります。
ただし、メロディーとコード進行が決まっていなければ、楽曲として成立させることは難しいので、作曲の最低ラインはこのあたりといえます。
コンポーザーの仕事内容
基本的に作曲活動をすることが、コンポーザーのおもな仕事であることに違いはありません。
しかし実際のところ、コンポーザーの仕事内容は多種多様です。
一般的には、クライアントから依頼されて楽曲を制作するケースが多いです。
ただし、前述したように作曲の定義もさまざまなため、納品形式は譜面のみの場合もあれば、DTMでほぼ完成品に近い楽曲まで作り込んで納品するケースもあります。
また、コンポーザーが作曲の依頼を受ける際には、クライアントとの調整が必須です。
クライアントの担当者とコミュニケーションをとり、どのような成果物を期待しているのか把握し、単価交渉なども行う必要があります。
さらに、コンポーザーになったからといって、ただ待っていれば仕事が来るわけではありません。
キャリアを積んで業界で有名にならなければ、仕事をとることも困難な場合があるので、自ら営業活動を行なうこともコンポーザーの大切な仕事です。
その際には、コミュニケーションスキルはもちろん、折衝力やプレゼンテーションスキルが必要です。
一方、コンポーザーの中には、自らがアーティスト活動を行うケースも珍しくありません。
その場合は、自身の作品を世に出すための方法なども自身で検討して、実施する必要があります。
音楽の世界は技術があることはもちろん、成果を出すことが求められる厳しい環境です。
そのため「作曲しかできない」というコンポーザーが生きていけるほど甘くはないことを肝に銘じておきましょう!!
コンポーザーになる方法
作曲ができて第三者に聞かせられる楽曲を作る能力さえあれば、誰でもコンポーザーにはなれます。
ただし、プロとして活動していくためには、一定の知識や技術、そして実績が必要です!
作曲の知識と技術を習得
プロのコンポーザーになるためには、一定レベルの作曲に関する知識と技術を身につけなくてはいけません。
例えば、クラシックの作曲家などをめざす場合には、アカデミックな音楽理論や和声、編曲の知識・技術、楽器の演奏能力などが必要です。そのため、音大などに行って専門的な教育を受けることが望ましいです。
ポップスの作曲家の場合も、基本的な音楽理論やコード、楽器の知識などが必要です。
ボカロPなどDTMメインの場合は、DAWの知識なども求められます。
なお、ボカロPのなり方については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
なお、作曲は独学で学ぶにはハードルが高いため、専門学校で学ぶこともひとつの方法です。
また、売れる(市場やクライアントが望む)楽曲を制作するためには、市場のトレンドを把握する必要があるため、日ごろから多くのジャンルの楽曲をまんべんなく聞く努力も欠かせません。
コンポーザーとしての実績を重ねる
作曲ができるだけではコンポーザーとして仕事をしていくのは困難なので、実績を積むことが求められます。
第三者からコンポーザーとしての実力がわかる実績がないと、なかなか仕事には結びつきません。
そのため、コンテストに応募して入賞したり、動画サイトやSNSなどへオリジナル楽曲の動画を配信してファンを集めたりするなど、客観的な評価につながる実績を重ねることが重要です。
コンポーザーとして独り立ちするためには、さまざまな活動を通じて、自身の楽曲の評価を高め、業界内で人脈を形成することが欠かせません。
コンポーザーの働き方はおもに2種類
コンポーザーはミュージシャンなどと同様に、どのような働き方をするのかが、一般の方からはわかりづらい職種といえます。
そこでここでは、コンポーザーのおもな就業形態について解説します!
一般的には企業に勤めるか、フリーランスの2択です。
1.企業に勤める
意外かもしれませんが、コンポーザーの中には企業勤めの方も多いです。
具体的には、音楽制作会社やゲーム会社にサウンドクリエイターとして就職することが一般的。
また、カラオケ会社などMIDIデータを制作する会社も候補に入ります。
クライアントやプロデューサー、ディレクターなどから依頼を受け、希望する内容やフォーマット、品質の楽曲を作成することがコンポーザーの仕事です。
ただし、企業に勤めるという性質上、作曲以外の仕事を行う機会も多々あります。
また、コンポーザー以外にも、おもにゲームの効果音などを作るサウンドクリエイターとして活躍する道もあります。
なお、サウンドクリエイターに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
▶サウンドクリエイターになるには?仕事内容や必要なスキルなどを紹介
2.フリーランスとして活動
特定の企業には勤めずフリーランスとして活動することも、コンポーザーには多いスタイルです。
クライアントから依頼された楽曲の制作を請け負うことが、一般的な仕事だといえます。
また、自身がアーティストとして活躍するケースも、こちらに該当します。
フリーランスで活動するコンポーザーは、自分で仕事を取りにいく必要があるため、企業勤めの場合よりも状況がシビアです。
ただし、実績を上げて著名なコンポーザーになったり、ヒット曲を生みだしたりできれば、高年収が期待できるかもしれません。
コンポーザーに向いている人の特徴
コンポーザーに向いている方の特徴は、作曲をするための技術や経験があることはもちろん、音楽が好きで作曲の作業が苦にならない方です!
特にクライアントから発注を受けた場合には、作成した楽曲が一発OKで通ることは珍しく、何度も作り直すことがよくあります。
よって、素早く作曲できる能力や楽器の演奏技術、多くの音楽的な引出しもコンポーザーには欠かせません。
また、さまざまな音楽知識はもちろん、市場のトレンドに敏感でなければ、クライアントの多様なニーズに答えられる楽曲を作曲するのは困難です。
そして、作曲の仕事を継続的にとっていくためには、業界内でのネットワーク構築も非常に重要です。
そのため、クライアントと良好な関係を築くための高いコミュニケーション能力や、自分の能力を売り込むプレゼンや営業スキル、またSNSなどを活用して自身の作品を拡散できる発信力なども、コンポーザーには欠かせない能力といえます。
コンポーザーの将来性
音楽業界はCDからサブスクなどの音楽配信に切り替わり、市場全体としては以前に比べダウントレンドだといえるかもしれません。
一方、スマホの普及によってゲームの需要が高まったことで、ゲーム音楽を作曲できるコンポーザーのニーズが増加傾向です。
また、TVやCM、映画や動画用など、音楽自体は常に需要があります。
ただし、コンポーザーの数も多いため、仕事を取るためには実績が必要です。
特にフリーランスやアーティストとして活動する場合は競争率が高いので、安定的に仕事を取るためのハードルは非常に高いです。
ヒット曲が生まれれば年収も大幅に上がる可能性がある反面、安定的に仕事を得るためには、やはり企業勤めのコンポーザーをめざすほうが無難ともいえます。
将来、どちらの方向性で仕事をするかについては、十分に検討するべきだと思います。
ヒット曲が書けるコンポーザーをめざそう
コンポーザーは楽しくも厳しい世界なので、確かな知識や技術、そして実績が必要です。
クライアントの要望通りの楽曲を作曲して満足してもらったり、ヒット曲を生み出して多くの方に聞いてもらえたりすることで、何物にも替え難い達成感が得られる仕事です!
ぜひヒット曲が書けるコンポーザーをめざして、チャレンジしてみてください!
なお、効率よくコンポーザーをめざすためには、専門学校で総合的に知識や技術を高めることもひとつの方法です。
SHOW!のサウンドクリエイター科であれば、コンポーザーに必要な知識やスキルを効率よく身につけられます。
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