ボカロPになるには?必要な機材や知識などを解説します

ボカロPになるには?必要な機材や知識などを解説します

今や日本独自の文化にまで昇華したといっても過言ではないボカロ!!

ボカロを使ってさまざまな楽曲を制作するボカロPの中には、多くのヒット曲を生み出した方も大勢いらっしゃいます。

音楽に興味のある方が「自分もボカロPになりたい!」と思うケースも多いハズ!

そこで今回はボカロPをめざす方のために、どのような機材や知識が必要なのか、サウンドクリエイター科担任の中野和音が解説いたします!

ボカロPとは

ボカロPとは音声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」を使って、自身が作曲した楽曲で歌を歌わせるプロデューサー(Producer)のことです。

 

DTM(Desk Top Music)と呼ばれるパソコンを使って自作の楽曲を作る活動を行なってきた方は、以前からたくさんいました。

けれど、楽曲の制作はできても自分で歌まで歌える方は少ないため、なかなか公に発表できなかった点が課題だったと思います。

 

ボカロが登場したことによって、それまで課題だったヴォーカリスト不在問題が解決され、ニコニコ動画などの媒体を通じて多くのボカロPが楽曲を発表できるようになりました。

特に初音ミクを使った楽曲は、千本桜などのように一般の方にも広く認知される高いクオリティのものが多くあります。

 

また、ボカロP出身のメジャーアーティストも数多く、米津玄師(ハチ)さんやsupercellさん、ヒャダインさん、YOASOBIのAYASEさんなど、第一線で活躍する方も多数いらっしゃいますね!

 

 

ボカロPに必要な機材5選

ボカロPになるためには、まず楽曲を制作するための機材を揃えなくてはいけません。ここではボカロPに必要な5つの機材について解説します!

 

1.パソコン

ボカロPには楽曲や動画の制作を行うパソコンが不可欠です。デスクトップ、ノート、またMac、Windowsのどれでも構いませんが、音楽や動画の制作ソフトをストレスなく動かすためには、できるだけハイスペックなデバイスを準備しておくと安心です。

特に動画を作成する際には、高性能なグラフィックボードを積んだデバイスを選ぶ必要があります。

 

また、後程記載するオーディオインターフェースやMIDIキーボードなど、多くのデバイスをつなぐため、できるだけたくさんのUSBポートを供えたものを選ぶことも、ボカロ楽曲制作用のパソコンを選ぶときのポイントです。

 

2.VOCALOID(ボーカロイド)

ボカロPはVOCALOID(以下、ボカロ)がなければ、楽曲の中に歌唱データを作成できません。

VOCALOID(以下、ボカロ)とは、歌詞とメロディの情報を入力することでパソコンやスマホで歌唱を作り出せる技術のことです。

 

ボカロは「音声ライブラリ」と呼ばれる、いわゆる「歌い手」に該当するものと「VOCALOIDエディター」と呼ばれる歌唱編集ソフトを活用することによって、歌唱データを作成できます。

 

なお「VOCALOID(ボーカロイド)」と「ボカロ」はYAMAHAの登録商標で、クリプトンフューチャーメディアという会社からリリースされているV4Xシリーズがもっとも有名です。「初音ミク」や「鏡音リン・レン」「巡音ルカ」といった、有名なボカロが含まれます。

 

また、このほかにもCevio AI(チェビオ エーアイ)といった、権利の関係でボカロとはいえないけど、ほぼボカロと同等の商品や、無料で使えるものもあるので、好みや用途に応じて試してみるのがおすすめです。

 

3.音楽制作ソフト

ボカロPが楽曲を制作するためには、音楽制作ソフトが必要です。具体的には、楽曲のデータを作成するためのシーケンサーと、データを鳴らすために必要な音源(ソフト、ハードの両方がある)、そしてできあがった楽曲のミキシングやマスタリングを行う環境が揃ったDAWを準備しなくてはいけません。

 

DAWとは「Digital Audio Workstation」の略後で、パソコン上で音楽制作や編集などができるソフトウェアを総称したものです。また、DAWとよく似た言葉に「DTM」がありますが、こちらはパソコンを使った音楽制作をさす言葉のため、DAWの1機能といえます。

 

なお、DAWはMac、Windowsの両方に対応していないものも多いので、自身のパソコン環境で使えるものを選ぶ必要があります。また、前述したV4Xシリーズにはシーケンサーが含まれているので、そちらの購入や無料で使えるDAWもあるので試してみてもよいと思います!

 

4.オーディオインターフェースとモニター

ボカロPになりたい方は、オーディオインターフェースとモニターも準備しておくことをおすすめします。イヤフォンやヘッドフォンしか使わない場合は不要ですが、適性にモニタリングやミックスを行うためには、汎用的なスピーカーでバランスをとる必要があります。

 

また、外部のスピーカーやアンプで音を出したい場合は、オーディオインターフェースが必要です。フォン端子かXLR出力に対応したオーディオインターフェースであれば、多くのアンプやスピーカーが対応しているので、デバイスを選択する際には注意しましょう。

 

5.MIDIキーボード

MIDIキーボードも、ボカロPが持っていたいアイテムのひとつです!MIDIキーボードとは、演奏したデータをそのままシーケンサーに入力できるデバイスのことです。

 

MIDIキーボードは絶対に必要ではありませんが、ない場合はパソコンのキーボードやマウスだけで楽曲やボカロのデータを入力、編集する必要があります。ピアノやエレクトーンなどが弾ける方であれば、MIDIキーボードを活用することで楽曲制作の効率が飛躍的に高まります。

 

また、楽器が演奏できない場合でも、メロディやドラムなどを直観的に入力できるので、思いついた音やフレーズを形にしやすく非常に便利です。

 

ボカロPに必要な知識・技術

ボカロPになるためには、音楽や動画などに関する、さまざまな知識が必要です。ボカロPに必要とされる主な知識を紹介します。

 

音楽制作の知識

ボカロPには、楽曲を制作できる程度の作曲・編曲の知識や技術が必要です。具体的には、楽典や音楽理論、コード進行といった音楽の基礎知識、アレンジや編曲の技術など、基本的な作曲の方法についても学ぶ必要があります。

 

また、楽器演奏のスキルがあると、スムーズに作曲が行いやすいと思います。さらに、ボカロやソフトシンセなどの音源を使いこなすためには、楽器の知識も必要です。シーケンサーにデータを打ち込む際には、ジャンルごとの楽器編成や楽器の奏法、特性がわかっていないと、どのように音を入力したらよいかわからない場合が多いからです。

 

DAWの知識・技術

DAWを使いこなすためには、シーケンサー、エフェクター、サンプラー、ミキサーなど、さまざまなソフトの知識と技術が必要です。それぞれの機材の用途や使い方を深く理解しておくことで、自分の理想とする楽曲やアレンジに近づけることができます。

 

ただし、DAWは機能が多いので、自分が出したい音や表現ができるようになるまでには、多くの知識と修練が必要です。自分の好きな楽曲をコピーしたり、何度もトライアンドエラーを繰り返したりすることで、少しずつスキルが身についていきます。

 

作詞の技術

ボカロに歌わせるためには、歌詞が必要です。そのため、歌詞を自分で書く場合には、作詞の技術もあるとよいです。カバー楽曲などの場合は、既存の歌詞を入力すればよいのですが、オリジナル楽曲は歌詞を準備しなくてはいけません。

 

「歌詞を書くのは苦手……」という方は、作詞を専門にしているクリエイターへ依頼するのも、ひとつの方法ですね!

 

動画制作の知識

完成したボカロ楽曲を動画サイトへ投稿したい方は、動画制作の知識も必要です。

 

ボカロ楽曲のデータフォーマットであるMP3やWAVなどは、音楽データのフォーマットであるため、そのまま動画サイトにアップできません。そのため、少なくとも動画のデータフォーマットへ変換する必要があります。

 

しかし、単純な音だけのデータを動画サイトへアップしても、多くの方に見てもらうことは難しいはず。そのため、少なくとも静止画、可能であれば動画を背景にした作品に仕上げることが求められます。

 

ただし、クオリティの高い動画作品に仕上げるためには、かなりのスキルが必要です。そのため、ほかの絵師さん(イラストレーター)や動画師さん(動画クリエイター)へ依頼する方もたくさんいます。なお、その際にはギャラが発生する可能性があるので、別途交渉が必要です。

 

 

動画サイトへボカロ楽曲を投稿する方法

動画サイトへボカロ楽曲を投稿する方法を簡単に説明します。

 

まず、作成したボカロ楽曲に合わせた動画を、動画編集ソフトで作成しましょう。曲調にマッチした動画、もしくは静止画を作成しなくてはいけませんね。オリジナルですべて作成するのはかなりの技術と時間が必要なので、フリー素材などを活用して効率よく作成するのがおすすめです。

 

動画が完成したら、動画サイトに投稿できるようにするためのエンコード作業を行います。エンコードするデータフォーマットは、動画サイトによって異なる場合があるので、事前確認が必要です。

 

最後に、投稿したい動画サイトでアカウントを取得し動画を投稿すれば、自身のボカロ楽曲を含んだ動画を、ほかのユーザーに見てもらえるようになります。

 

 

独学で難しい場合はSHOW!のサウンドクリエイター科がおすすめ

ボカロPになるためには多くの知識や技術が必要なため、独学では難しい方も多いかもしれません。そのような方には、専門学校で総合的に知識や技術を高めることも、ひとつの方法です。

 

SHOW!のサウンドクリエイター科は、ボカロPに必要な知識やスキルを効率よく身につけることが可能です! 

 

特に作曲・編曲コースでは、作曲をするために必要なコードやスケールなどの理論を、実際に自分の作品と照らし合せながら学べます。また、一流クリエイター・プロデュースユニットとの連携授業やオリジナル作品のサブスク配信、CMなどへの楽曲提供のチャンスなどが豊富にあり、在学中からキャリアをスタートすることが可能です。

もちろん、DTM、ボカロの知識や技術についても体系的に学びますので、これからボカロPをめざす方には最適です。この記事でボカロPに興味が沸いた方は、ぜひ以下をチェックしてみてください。

 

 

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